ADHD治療薬の効果と副作用｜コンサータやストラテラはどう違う？
しかし、「どちらを選ぶべきか」「副作用はどう違うのか」と疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、ADHD治療薬の効果と副作用、そして両者の違いについて詳しく解説します。
ADHD治療薬の役割
ADHDの特徴である「注意の持続が難しい」「衝動的に行動してしまう」といった症状は、脳内の神経伝達物質（ドーパミンやノルアドレナリン）の働きと関係しています。薬物療法はこれらの働きを調整することで、症状を和らげ、生活や学習・仕事のしやすさを改善する役割を果たします。
コンサータの特徴
コンサータ（一般名：メチルフェニデート）は中枢神経刺激薬で、脳内のドーパミンやノルアドレナリンの働きを高めることで集中力を改善します。
- 効果発現：服用後30分〜1時間程度
- 持続時間：約8〜12時間
- メリット：学習や仕事に集中できる時間が長くなる
- デメリット：食欲不振、入眠困難、動悸などの副作用がある
ストラテラの特徴
ストラテラ（一般名：アトモキセチン）は非刺激薬で、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。コンサータと異なり依存性が少ない点が特徴です。
- 効果発現：数週間の服用で徐々にあらわれる
- 持続時間：1日を通して安定した効果がある
- メリット：依存性が少なく、長期的に使用しやすい
- デメリット：吐き気、倦怠感、気分の落ち込みなどが出ることがある
両者の比較表
| 薬名 | 分類 | 効果発現 | 持続時間 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|---|
| コンサータ | 中枢神経刺激薬 | 30分〜1時間 | 8〜12時間 | 食欲不振、入眠困難、動悸 |
| ストラテラ | 非刺激薬 | 数週間 | 安定的に1日持続 | 吐き気、倦怠感、気分の落ち込み |
副作用への対処法
ADHD治療薬は効果が期待できる一方で、副作用が出る場合があります。副作用が強いと感じたら、自己判断で中止せず、量の調整や薬の切り替えについて専門家に相談することが重要です。
薬だけに頼らないサポート
薬物療法はADHDの症状を改善する手段のひとつにすぎません。併せて以下のようなサポートを取り入れると効果的です。
- 生活リズムを整える
- 学習・仕事の環境を工夫する
- 行動療法やカウンセリングを取り入れる
まとめ
コンサータは即効性と集中力の持続に優れ、ストラテラは依存性が少なく長期使用に適しているという違いがあります。それぞれの特性を理解した上で、自分の生活スタイルや症状に合った薬を選ぶことが大切です。
某薬局の薬剤師です。
