ザイザルを子どもに使うときの注意点まとめ
花粉症やアレルギー性鼻炎、じんましんなどに使われる抗アレルギー薬ザイザル(レボセチリジン)は、効果が持続しやすく眠気も比較的少ないため人気の薬です。しかし、大人と同じように子どもにも安心して使えるわけではありません。年齢による使用制限や副作用のリスクなど、保護者が知っておくべき注意点があります。本記事では薬剤師の立場から、ザイザルを子どもに使うときに押さえておきたいポイントをまとめます。
ザイザルの基本情報
ザイザルは第2世代抗ヒスタミン薬で、ヒスタミンの働きを抑えることでアレルギー症状(くしゃみ・鼻水・かゆみ・発疹)を改善します。即効性があり、効果の持続時間は24時間前後と長いため、1日1回の服用で済むのが特徴です。
子どもへの適応年齢
ザイザルはすべての年齢の子どもに使えるわけではありません。年齢ごとの適応は以下の通りです。
- 6歳以上:錠剤・内用液のいずれも使用可能。体重に応じて用量調整が必要。
- 1歳以上〜6歳未満:内用液が適応。錠剤は使用できません。
- 1歳未満:原則として使用できません。
つまり、乳幼児では使用が制限されており、医師の判断が不可欠です。
子どもに使うときの副作用
ザイザルは眠気が少ないとされていますが、子どもには以下の副作用が出ることがあります。
- 眠気・だるさ:授業中に集中力が落ちる可能性。
- 頭痛・めまい:特に体質や体調によって現れることがある。
- 消化器症状:吐き気や下痢、食欲不振。
- まれに発疹やアレルギー反応。
特に学齢期の子どもでは、眠気や集中力低下が学習に影響する場合があるため注意が必要です。
使用上の注意点
子どもにザイザルを使う際は、以下の点を守ることが大切です。
- 必ず医師の処方に従う:市販では入手できないため、診察を受けた上で処方してもらう。
- 用量を守る:体重や年齢によって適切な量が異なる。
- 服用時間を固定する:1日1回、できれば就寝前に服用することで眠気の影響を軽減。
- 副作用が出たらすぐ相談:強い眠気や発疹が出た場合は服用を中止し医師に連絡。
- 他の薬との併用に注意:風邪薬や睡眠薬との併用で眠気が強まることがある。
生活習慣との組み合わせ
薬だけに頼らず、生活習慣の工夫も重要です。
- 花粉シーズンには帰宅後すぐに洗顔・うがい・着替えをする。
- 寝室の掃除や空気清浄機の使用でアレルゲンを減らす。
- 規則正しい睡眠と食事で免疫バランスを整える。
薬の効果を引き出すためには、日常生活でのアレルゲン対策が欠かせません。
まとめ
ザイザルは子どものアレルギー症状に有効な薬ですが、年齢制限や副作用への注意が必要です。特に乳幼児では使用が制限され、学齢期の子どもでも眠気が問題になる場合があります。医師の指示を守り、生活習慣の工夫も合わせて取り入れることで、安全かつ効果的に利用できます。保護者は「効き目があるから安心」と思い込まず、子どもの体調変化に常に目を配ることが大切です。
某薬局の薬剤師です。