外用薬と内服薬どっちが効く?ニキビ治療薬徹底解説
ニキビ治療を考えるとき、多くの人が迷うのが「外用薬と内服薬、どちらが効くのか」という点です。実際には症状の重さや原因によって使い分けが必要であり、一概に「どちらが優れている」とは言えません。本記事では薬剤師の視点から、外用薬と内服薬の違いを詳しく解説し、ニキビ治療の正しい理解につなげます。
ニキビの種類と治療方針
まずはニキビの種類を整理しましょう。
- 白ニキビ(面ぽう):毛穴の詰まりが原因。炎症は軽度。
- 赤ニキビ:アクネ菌の増殖により炎症が起きた状態。
- 膿ニキビ:炎症が強まり、膿を伴う重症タイプ。
- ニキビ跡:炎症後の色素沈着や凹凸。
ニキビ治療では「軽症なら外用薬」「重症や再発を繰り返す場合は内服薬も併用」といった使い分けが基本です。
外用薬の特徴
外用薬は肌に直接塗布して作用する薬です。軽症〜中等症のニキビに適しています。
- 過酸化ベンゾイル:アクネ菌を殺菌し、角質をはがす作用。炎症ニキビに有効。
- アダパレン(ディフェリン):毛穴詰まりを改善し、新しいニキビを予防。
- 抗生物質外用薬:クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど。炎症を抑える。
- 市販薬:サリチル酸やイオウ製剤を含み、毛穴詰まりや皮脂過剰に対応。
外用薬は副作用が比較的軽いのがメリットです。ただし、乾燥・刺激・赤みが出ることもあり、使い続けて肌を慣らす必要があります。
内服薬の特徴
中等症〜重症ニキビや、外用薬だけで改善が乏しい場合に用いられます。
- 抗生物質(テトラサイクリン系):ドキシサイクリン、ミノサイクリン。炎症を強力に抑える。
- ホルモン療法:女性では低用量ピルやスピロノラクトンでホルモンバランスを調整。
- イソトレチノイン:皮脂分泌を抑え、根本的に改善。海外では広く使われるが副作用リスクも高い。
- 漢方薬:体質改善目的で使用されることもある。
内服薬は全身に作用するため効果が強い一方、副作用や使用制限も大きい点に注意が必要です。
外用薬と内服薬の比較
項目 | 外用薬 | 内服薬 |
---|---|---|
適応 | 軽症〜中等症 | 中等症〜重症 |
効果 | 局所的に作用、徐々に改善 | 全身的に作用、効果が強い |
副作用 | 乾燥・赤み・刺激感 | 胃腸障害、肝障害、ホルモン異常など |
使用のしやすさ | 塗るだけ、セルフケア向き | 医師の処方が必須 |
併用という選択肢
実際の臨床現場では「外用薬+内服薬」の併用がよく行われます。例えば、赤ニキビが多い時期は内服抗生物質で炎症を抑えつつ、毛穴詰まり対策としてアダパレンを塗るといった方法です。重症ほど複数のアプローチが必要となります。
まとめ:どちらが効くかは症状次第
外用薬と内服薬はどちらが優れているというよりも、症状や重症度に応じて使い分けるものです。軽症ならまずは外用薬、重症なら内服薬を併用。さらに生活習慣改善やスキンケアの工夫も不可欠です。自分の症状に合った治療法を選ぶことで、効率的に改善へとつなげることができます。
某薬局の薬剤師です。