睡眠薬を飲むとクセになる?依存性の実態を医師が解説
監修:医師・薬剤師監修
はじめに
「睡眠薬はクセになりそうで怖い」「一度飲むと手放せなくなる?」
このような不安から、睡眠薬の使用をためらう人は少なくありません。
しかし医師の立場から言うと、睡眠薬には依存性のリスクが高いものと、ほとんど心配のないものがあるため、一括りに“危険”とは言えません。
本記事では、睡眠薬の依存性の実態、薬ごとの違い、実際の体験談、副作用を詳しく解説します。
睡眠薬の種類と依存性の違い
睡眠薬にはいくつかのタイプがあり、依存性の強さが大きく異なります。
① ベンゾジアゼピン系(依存リスクが高い)
- デパス
- レンドルミン
- ハルシオン など
脳の不安を和らげる作用が強く、長期連用で耐性・依存が起こりやすいタイプ。
② 非ベンゾジアゼピン系(中等度のリスク)
- マイスリー(ゾルピデム)
- アモバン(ゾピクロン)
依存は起こり得るものの、ベンゾ系よりは低いとされる薬です。
③ メラトニン受容体作動薬(依存ほぼなし)
- ロゼレム
- メラトニン(個人輸入)
体内時計に働くタイプで、依存性はほとんどありません。
④ オレキシン受容体拮抗薬(依存低め)
- ベルソムラ
- デエビゴ
自然な眠気を誘う作用で、依存リスクは比較的低いとされています。
医師が解説:睡眠薬で依存が起きる理由
依存には2種類があります。
● 身体的依存(薬がないと眠れない)
ベンゾ系で起きやすく、長期使用で耐性ができ、薬の量が増えることもあります。
● 心理的依存(飲んだほうが安心できる)
非ベンゾ系でも起こることがあり、「飲まないと不安」という状態です。
医師は「依存を避けるためには自分に合った分類を選ぶことが最重要」と説明します。
実体験レビュー:睡眠薬を使い始めた30代女性のケース
30代女性・Mさんは、仕事と育児のストレスで不眠が続き、医師から非ベンゾ系を処方されました。睡眠薬の眠りは浅いんじゃないか、依存してしまわないか不安でしたが医師の説明を聞いて安心して飲み始まることができました。
● 1週間服用した感想
「飲むと30分ほどで自然な眠気が来て、朝も比較的スッキリ。クセになる感覚はなかった。眠りの浅い感覚もなく普通通り寝れた気がしました。」
● 1か月後の変化
「薬を飲まなくても眠れる日が増えてきた。飲まない日は寝つきがわるいのかなって思ったけど、意外にすんなり寝れたので安心しました。私と同じように不安があるかたは依存性の低いものを最初は飲み始めてみたらいいと思いますよ」
医師によると、このように短期で使用しながら睡眠のリズムを整える目的で使えば依存は起きにくいとのこと。
睡眠薬の副作用レビュー
- 日中の眠気
- ふらつき
- 記憶が曖昧になる(特にベンゾ系)
- 苦味(アモバン)
強い副作用が出た場合はすぐに医師に相談してください。
依存を避けるために医師が推奨するポイント
- 毎日飲まず、必要な日に限定する
- 長期使用は避け、定期的に医師と見直す
- 眠る前の習慣(スマホ・光・食事)を整える
- 寝酒は絶対にしない(薬の効果を弱め、依存を悪化させる)
睡眠薬に代わる選択肢
- メラトニン(依存なし)
- 漢方薬(柴胡加竜骨牡蛎湯 など)
- 認知行動療法(CBT-I)
- 運動習慣の改善
まとめ:睡眠薬=危険ではない。種類と使い方が重要
睡眠薬の依存は「薬そのもの」ではなく選び方と使い方で大きく変わります。
依存性がほぼないものからリスクが高いものまで幅広いため、医師と相談し自分に合った薬と服用方法を選べば、睡眠の質は大きく改善します。
本記事は一般的な医学情報と使用者の体験談をもとに構成しています。睡眠薬の使用は必ず医師・薬剤師に相談し、適切に服用してください。
某薬局の薬剤師です。
