バイアグラとシアリスの併用は危険?実際に試した結果
監修:医師・薬剤師監修
ED治療薬には「即効性のバイアグラ(シルデナフィル)」と、「最大36時間作用のシアリス(タダラフィル)」があります。
どちらも高い改善効果が期待できますが、ネット上では「併用するとさらに強く効くのでは?」という声が見られます。
しかし、結論から言えば バイアグラとシアリスの併用は医学的に推奨されず、リスクが大きい方法 です。
■併用が危険と言われる理由
●過剰な血管拡張が起こるリスク
両薬はどちらも PDE5阻害薬(血管を拡張し、陰茎の血流を改善)ですが、作用時間が異なるだけで基本的な仕組みは同じです。
併用すると血管拡張効果が「二重」にかかり、
- 急激な血圧低下
- 動悸・めまい
- 立ちくらみ
- 頭痛の悪化
- 心臓への負担増加
といったリスクが大きくなります。
●シアリスは36時間作用する
「バイアグラを飲んだ翌日にシアリスを服用」というように、時間差を空けているつもりでも、シアリスの成分は体内に残ったままです。
その状態でバイアグラを追加すると、医学的には「併用」と同じ状態になる可能性があります。
■実際に併用した人の体験談
●30代男性 Aさんのケース
Aさんは、バイアグラ50mgとシアリス10mgを“時間差で使えば大丈夫”と思い、夕方にシアリス、夜にバイアグラを服用しました。
すると、以下のような症状が出たといいます。
- 顔のほてりが強くなる
- 脈が速くなるような感覚
- 立ち上がる時の軽いめまい
- 頭痛が長引く
本人は「効果は強まった気がしない。むしろ集中できず逆に不安が増した」と語っています。
性行為自体に支障はなかったものの、翌日まで頭痛と疲労感が残ったとのこと。
■併用で効果が上がるのか?
医学的に見ると、バイアグラもシアリスも「ED改善の上限効果」はほぼ同じです。
PDE5阻害薬には併用による相乗効果は認められていません。
つまり、「より強く効く」というメリットは基本的にありません。
■安全な服用間隔の目安
- バイアグラ(シルデナフィル):作用時間4〜6時間
- シアリス(タダラフィル):最大36時間
このため、併用を避けるにはシアリス服用から最低でも36時間は空けるのが安全ラインと考えられます。
ただし、体質・代謝によって残存時間は前後するため「自己判断での切り替え」も推奨されません。
■併用したくなる原因と代替策
●原因:効きが弱い日がある
ED治療薬は体調・食事・睡眠・飲酒で効果が左右されやすく、「今日は効きにくい」と感じることがあります。
しかし、併用は危険なので以下の代替策が推奨されます。
●代替策
- 空腹時に服用する(特にバイアグラ)
- 飲酒量を抑える
- 睡眠不足を避ける
- シアリスのデイリーユース(毎日5mg)を検討
- 副作用の少ないジェネリックへの変更
■まとめ:併用は「危険の割にメリットなし」
バイアグラとシアリスの併用は、医学的に推奨されずデメリットが大きい方法です。
「効きを強めたい」「効果を持続させたい」という理由があっても、安全性を考えると別のアプローチの方が合理的です。
併用を検討するほど効果に悩んでいる場合は、用量の調整・別薬への切り替え・生活習慣の見直し が現実的な改善策になります。
某薬局の薬剤師です。

