アンチエイジングに効果あるの?海外製のプラセンタ注射剤
美容クリニックやエステで注目されているプラセンタ注射。特に海外製のプラセンタ製剤は、美容やアンチエイジングを目的に利用されるケースが増えています。しかし「本当に若返り効果があるのか?」「安全性はどうなのか?」といった疑問も少なくありません。本記事では薬剤師の視点から、海外製プラセンタ注射剤の効果と注意点を深掘り解説します。
プラセンタとは?
プラセンタとは胎盤エキスのことで、アミノ酸・ペプチド・ビタミン・ミネラル・成長因子などが豊富に含まれています。これらが細胞の活性化や代謝促進に寄与し、アンチエイジング効果が期待されます。
海外製プラセンタ注射剤の特徴
日本では医療用としてメルスモン・ラエンネックが承認されていますが、海外製のプラセンタ注射剤にはさまざまな種類があります。主にブタ由来・ヒト由来・馬由来の製剤が存在し、サプリメントより有効成分が高濃度であることが特徴です。
アンチエイジング効果として期待される作用
プラセンタ注射がアンチエイジング目的で使用される理由は以下の通りです。
- 美肌効果:コラーゲン生成を促し、シワやたるみを改善。
- 抗酸化作用:活性酸素を抑制し、細胞老化を防ぐ。
- ホルモン調整作用:自律神経やホルモンバランスを整える。
- 疲労回復:新陳代謝を高め、体の回復をサポート。
こうした効果から「若返り注射」とも呼ばれています。
使用における注意点
一方で、海外製プラセンタ注射剤にはいくつかのリスクや注意点も存在します。
- 安全性の差:日本国内承認の製剤と異なり、製造過程や安全基準が国によって異なる。
- 感染症リスク:ヒト由来の場合、理論上は感染症伝播のリスクを完全に否定できない。
- 副作用:注射部位の腫れ、発疹、アレルギー反応が起こることがある。
- 献血制限:ヒト胎盤由来製剤を使用すると、国内で献血ができなくなる。
海外製を選ぶ際のポイント
もし海外製のプラセンタ注射を利用する場合は、以下の点を確認することが大切です。
- 信頼できるクリニックや輸入ルートを利用する。
- 製剤の由来(ヒト・ブタ・馬など)と製造元を確認。
- 施術後の体調変化を記録し、副作用があれば速やかに中止する。
まとめ:効果とリスクを理解して利用を
海外製のプラセンタ注射剤は、アンチエイジングや美容効果を目的に利用される人気の治療法です。肌の若返りや疲労回復効果が期待できる一方で、安全性や副作用のリスクも伴います。安易に「効果があるから」と飛びつくのではなく、信頼できる情報と医療機関を通じて利用することが重要です。
某薬局の薬剤師です。