いつも朝からむくみが気になって、手足顔などがパンパンになっている状況は健康問題があるのかと気になってしまうものです。
むくみは単純に体を動かさなかったり食べ過ぎだったりだけでなくと言う思わぬ腎臓の病気や心臓にも何らかの影響が出ている可能性もあるのです。
この記事ではむくみが起こるメカニズムと、むくみによって考えられる体の不調や病気をご紹介します。
またむくみを改善するために心がけたい食事方法や運動方法なども解説するため、ぜひ参考にしてください。
むくみが起きる原因とは？
むくみが起きる主な原因は、体の中にある水分のバランスによって変化するためです。そもそも人の体は60%が水分でできています。そのうち細胞の中に3分の2、細胞外に3分の1の血液と細胞間血液によってできています。
これらの細胞の外に出た酸素や栄養素を細胞まで届けて、代謝によって二酸化炭素や老廃物を毛細血管に戻して循環させる働きがあるのです。
このむくみは何らかの原因によって毛細血管から出る水分量が一時的に増えることや、血管に戻す量が減ることによって細胞の間にある液体が多くなる状態で起きるのです。
常に細胞と細胞質の間には水分があるため、少しきつい靴下を履いた後に足跡がつく程度は正常です。しかしいつまでも跡が残らない、自覚があるほど手足が苦しい、顔がパンパンになっていると言う症状はむくみは過剰になっているのです。
長時間同じ姿勢でいる
むくみが起きる原因の1つが、同じ姿勢のままでいる現代人の環境が深く関わっています。特にデスクワークによる座りっぱなしや、長時間立ち仕事は同じ体制でいることが多く血液の循環が一気に悪くなります。それと血管から水分が多く流出し、そのまま留まるため含みにつながるのです。
この流れ出した水分は重力の影響受けてどんどん足の下のほうに溜まっていきます。その結果ずっと座っていたり立っていたりする人は足がむくみがちなのです。
これらは歩くことによって筋肉がポンプの役割になり、血液が自然と上半身の方へと進んでいくため浮腫が目立ちにくくなるのです。
運動不足によるむくみ
日ごろからあまり運動していない状況が続くと慢性的な浮腫が起こる原因につながります。これは運動不足になると筋力自体が低下し、体の中の水分を押し返す力が弱まるためです。血行が悪くなったままだとどんどん細胞の名家や、血管の方から水分が流れていくため体がむくむ状態が続くのです。
少し運動すると体がスッキリしたような気分になるのは血液が循環され、さらにむくみの原因になる水分がしっかりと全身へ行き渡り外へ出されたためです。
過剰な塩分と水分摂取
浮腫が起きるのは水分や塩分の摂りすぎを深く関わっています。特に一気に水分を摂りすぎると体の水分量が増加しすぎてしまい、血管の中に入りきらなかった分が体の中としみ出してしまうのです。そして同様に塩分を多くとると血中の塩分濃度を一定に保とうとすることで、体はそれを薄めようと水分をため込み出すのです。その結果全身がむくみ、顔や手足の指先までパンパンになった状態につながるのです。特に外食が多いコンビニ弁当等の味付けの濃いものを好んで食べていると言った人は食事の影響でむくみが続いている可能性が考えられるものです。
アルコールによるむくみ
アルコールの摂取によって、血中のアルコール濃度が高くなり血管が拡張します。この時に血管の水分の処理が間に合わなくなり、水分量が増えて一気にむくみを起こしてしまうのです。アルコールをとると翌日顔周りがパンパンになっているのはリンパ周辺のむくみによるものです。
アルコールが完全に分解され外に排出されるには最低でも半日から1日程度の時間が必要です。そのためアルコールを飲んだ翌朝は手足の苦しく顔がむくんでいて、起きづらいといった悩みを抱えている人が多くいるのです。
むくみは腎臓病のサインかも？
浮腫は普段の生活習慣の影響が大きいですが他にも病気によって症状がひどくなっている可能性があります。特に思い当たることがないのにむくみが続いている場合は、腎臓や心臓のほうに何らかの疾患が起きているかもしれません。このため早めに検査をして、適切な治療を受けましょう。
心不全や心負荷
全身の浮腫がひどいのは、心臓の働きが弱まっている可能性が考えられます。本来心臓はポンプの役割を果たし血管内にある余分な水分が溜まりすぎないようコントロールしています。しかし心臓の働きが弱まると水分が血管の外に染み出して、そのままむくみの原因になるのです。
特に息切れしやすくなった、息苦しさを感じるといった違和感があるのなら、心臓に負荷がかかりすぎている可能性があります。
心臓の異常はレントゲンや超音波検査などで診断するため、循環器内科を受診しましょう。
腎不全
腎臓の働きが低下すると、老廃物をうまく排泄できなくなってしまいます。それと体に溜まった余分な水分や塩分をうまく外に出せなくなり、そのままむくみとして残ってしまうのです。
これらは塩分の取りすぎや、過剰なタンパク質の摂取などが原因で起こります。またアルコールやタバコといった、体にとって負担のかかるものを多く摂取していても、腎臓に負担がかかるため食事コントロールが必要です。
自宅でできるむくみ対策5選
むくみ対策は自宅にいながらできるものが、さまざまあります。
むくみを日頃から意識することで、フェイスラインやボディラインもすっきりするうえ、体自体も軽やかに感じられるのです。
ぜひ自宅で実践したい、むくみ対策をくわしくご説明します。
マッサージをする
むくみの改善量は溜まった血液やリンパ液を流すことがとても大切です。ポイントは心臓から最も遠い足先からだんだんと心臓に近い方向に向けてマッサージしていくことです。ポイントは硬くなりやすい足の指の間にそれぞれ手の指を入れて足首を回すようにすること。これで足の指周辺のリンパと足首のリンパをきれいに上の方へ流していけます。
そして足首からふくらはぎを左に向かって上と誘っていきましょう。最後に両手を使って太ももから足の付け根に向かってさすっていくことにより、溜まった下半身のリンパを上の方へと流していけます。
顔も同様にクリームや乳液を使って、中心から外側に向かってだんだんと耳から鎖骨の方向へと擦っていきましょう。
ゆっくりと入浴する
むくみの解消には暖かいお風呂につかることもオススメです。湯船によって体を温めると血行が良くなり、溜まった血液やリンパが流れていきます。またお湯によって全身に適度に水圧がかかると、滞った水分が流れて、むくみがすっきりとするのです。
どうしても湯船にお湯を溜められない場合は洗面器にお湯を入れ、足湯するだけでも下半身のむくみ解消につながります。
横になって足を上げる
足のむくみには、下半身に溜まった水分をできるだけ上のほうに戻すことが大切です。そこで怒り寝転んで椅子などの上に足を乗せたり、仰向けになり壁に足を立て掛けるように置いたりして、足を心臓の位置よりも高くすることを意識しましょう。
この時に一緒に足首を回したり、足を屈伸するように動かしたりすると、筋肉の動きによってますます下がったリンパが足から上の方へと流れていきます。
例えば立ち仕事で足がいつもむくんでいるのならお風呂上がりは壁に足を立てかけて、そのまま読書をしたりテレビを見たりと、むくみ解消のための足を上げる時間を作りましょう。
この足を上げる運動は、1日過ごして凝り固まった筋肉をほぐすことにもつながるため、ストレッチも兼ねて続けることをおすすめします。
できるだけ体を冷やさない
体と血管が収縮して、ますますむくみが起こりやすくなりますそのため体を冷やさないように、しっかりと普段から防寒対策をとりましょう。
お勧めは首足首乳首を温めることです。
この部分は太い血管が通っており、リンパの流れもあるため温めることで全身の保温効果が期待できます。
特に夏場は足首などを出した服装が多いですが、費用を解消するにはしっかりとレッグウォーマーや靴下を使い、足首周りを温めることがポイントです。また冬は礼儀が当たりやすい首元を冷やさないように、マフラーなどで防寒することをお勧めします。
また家で過ごす時期はできるだけ素足で過ごさず、靴下を履くなど足元を冷やさない習慣を心がけましょう。
塩分やアルコールを控える
むくみの原因である塩分やアルコールを控えることも、むくみ予防にお勧めです。アルコールを飲んでいるときは一時的に血管が広がるものの、その後リンパを水分の処理が間に合わなくなった結果ますますむくんでしまいます。
特に一緒に食べる味が濃いおつまみも、塩分型の原因になりむくみを加速させてしまいます。アルコールは1にたくさん飲むのではなく、毎日飲む量を決めるなど時間をかけてちょっとずつ飲む意識を持ちましょう。またできるだけアルコールを取らない日も作ることも大切です。
また普段から惣菜に醤油や塩などの調味料を追加するなど、塩分を増やす食べ方をしている人も要注意です。味噌汁や漬物なども塩分量が多いため、できるだけ減塩表示があるものや調味料を追加でかけないで食べるなどの工夫をしましょう。
まとめ
むくみは放置していると、そのまま手足が太くなり顔が丸くなるなど、美容面でも営業が出てしまいます。またむくみの放置は老廃物が溜まり続けるため、体にとっても負担が大きいものです。
そのため塩分やアルコールを控えて、できるだけむくみが続かない生活を心がけましょう。足仕事や座り仕事で下半身のむくみが続くときは、毎日のマッサージやストレッチなどでしっかりとケアすることも忘れないでください。
またむくみがある日は、塩分の排出を促すバナナなどに含まれたカリウムを意識して取りましょう。むくみが何日も収まらない、ひどくなっている場合は腎臓や心臓を肝臓などの病気の可能性も考えられます。
ただのむくみだと放置しないで早めに医療機関を受診することを忘れないでください。
某薬局の薬剤師です。
