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水虫

水虫の基礎知識

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水虫の基礎知識

水虫は昔からあった病気か

水虫は人類の歴史とともにあったのか
日頃、水虫に親しんておられるあなた.おそらくあなたは水虫は太占から人類にとりついて、人を苦しめ続けてきたに違いない、などとお考えてはないてしょうか.ところが,昔の人は水虫などその存在も知らなかったのです.
日本の医学は,中国から輸入された知識を元にしてはじまっています.日本人の手でまとめられた医書として現存するもっとも古い書物は,平安時代に出た「医心方」という本ですが,そのなかには水虫という言葉は出てきません.時代がさがって,江戸時代の式亭三馬の『浮世風呂』のなかには,「糠の油を取って,浸淫瘡(みづむし)の薬にする」という読みがながのっております.同じ頃の『本朝医談』という本には「鵞掌風(みづむし)松脂を焼きて薫(くん)す」とあ
リますから,江戸時代には,水虫という言葉が使われていて,それに浸淫瘡とか鵞掌風といった漢字を当てていたことがわかります.
そして,その後,明治から大正年間に刊行された『大言海』や『大日本国語辞典』といった国語辞典では,水虫を「水仕事をする人の手足に生ずる瘡(かさ)」と定義し,江戸時代の本に出てくることを元に,「水虫」の同義語として,浸淫瘡や鵞掌風をそのままあげています.
それではこれらの言葉は本当に今の水虫と同じものをさしているのでしようか.この2つの言葉は,元来中国から伝わった言葉ですが,その元の意味を調べてみますと,鵞掌風とは「手のひらの真ん中に初め紫白色斑を生じ,のち皮膚が硬くなってひびわれ,次第に手のひら全体に及ぶ病気」と説明されています.一方,鵞掌風は『倭名類聚抄』という平安時代の辞書にも出てくる古い言葉ですが,「熱病の
おりに皮膚に生じ,水疱をつくリ,のちにかさぷたとなるもの」と説明されていますから,今日私たちが考えている水虫とはだいぶイメージが違います.
徳川家康は水虫にかかったか
このように,水虫という言葉が江戸時代には使われていたことは確かですが,それはどうやら,手足,とくに手のひらにできるものにつけられていた名前のように思われます.今日でもかなり多くの人が「水虫」というと,手にできる発疹,たとえば手の皮がむけたり,手のひらに小さな水ぶくれのでさる状態と考えるようです.ところが,本当の水虫は,これから先をお読みになるとわかるかと思いますが,主に足の病気です.でも,わが国で昔からいわれていた水虫は,前に述べたように,今日の意味よりはもっと広く,手足にみられるものをさして用いられていたわけです.そして,手にできるもののほうにウエートがおかれていたように思われます.皮膚の病気は誰にでもはっきりみえるものですから,ありふれた皮膚病には昔から必ず名前がつけられています.それなのに,現在いうところの足にできる水虫を,とくに手にでさるものと区別して呼ばなかったということは,当時の人にとっては,足の水虫はとりたてて注意を引く病気ではなかったのではないでしようか.水虫は未開人にはみられないとよくいわれますが,これはミズムシと履物が切っても切れない関係にあるからです.裸足で生活している人には水虫はみられず,人が靴をはくようになればなるほど水虫は増えます.ことにわが国のように,夏がきわめて高温多湿のところでは,この傾向が一段と著しくなります.この点では,昔の日本人が下駄や草履をはいて暮らしていたということは,大変理にかなっていたといえます.ですから,昔の人,たとえば徳川家康のような人が水虫にかかっただろうかと考えてみますと,彼は日頃質素をむねとし,冬でも家のなかでは足袋もはかなかったと伝えられていますから、おそらく水虫とは無縁の生活を送ったであろうと想像されます.
さらに時代がくだって明治時代になりますと、西洋式の生活や医学の波が押し寄せてきます.そこで水虫が市民権を得たかといいますと、実は明治時代になっても,まだ医学の中では水虫は正しく認識されるにいたらず,当時は手や足に水ぶくれができたり,皮がむけたりする状態をまとめて汗疱と呼んでいました.
水虫はいつ頃から正しく認識されたか
それでは今日私たちが考えているような水虫が,医学のなかで正しく認識されるようになったのはいつのことなのでしようか.
欧米では19世紀の終わり,1890年代になって,はじめてこの病気の研究がはじまりました.今日知られているようにこの病気がカビによっておこる病気であることがわかったのは,1910年のことです.
わが国ではこのすぐ後の大正7年(1918年)に,のちに東北大学をへて東京大学皮膚科の教授を歴任された太田正雄博士(この方は,詩や戯曲をはじめ文学の広い分野にすぐれた業績を残された木下杢太郎(きのしたもくたろう)と同ー人物です)が,足のうらと足のゆびの間にできた,そのころ「汗疱」と呼ばれていた発疹から,現在白癬菌と呼ばれているカビをはじめて分離したのがはじまりです.この結果をふまえて,太田博士の先生で当時の東京大学皮膚科の土肥腹蔵(どひけいぞう)教授が,皮膚科学の教科書のなかで,はじめて水虫に汗疱状白癬という名前をつけました.それ以降,わが国ではこの名前が広く用いられるようになりました.こうしてみますと,現在われわれを悩ましている足の水虫は,医学的にはその歴史がはじまってからまだ1世紀にもみたない新しい病気といえます.もちろん,それまでにも現在のものと同じ水虫にかかっていた人はいたに違いありませんが,それはほとんど病気として認識されないままに過ぎてきた程度に,患者として医者を訪れる人も少なく,関心を集めるまでにはいたらなかったものと思われます.今日ては,水虫は日常ごく普通の病気になりましたが,第二次大戦までのわが国では,一日中靴をはいている人は、軍人とか,お役人などの限られた人たちでしたから,一般市民は水虫とはあまり縁のない生活をしていました.それが昭和30年代後半(1960年頃)以降の高度経済成長時代にはいってからは,日本人の日常の履物は靴にかわり,今では逆に下駄や草履をはく人のほうがまれになってしまいました.また,今では一日中靴下をはいているのが普通の暮らしになりました.その分,水虫はどんどん増えてさました.最近では歩きはじめてまもない子どもにさえ,水虫をみることがあまり珍しくなくなってさています.たかが水虫といわれるような病気ではありますが,ものの見事にその時代,時代の生活を反映して,さまがわりしてさているといえます.

水虫を医学的にみれば

カビ(真菌)によっておこる病気
それては医学的には水虫とはなんなのてしょう.
一言でいいますと,水虫とは足のうら(足跡)や足のゆびの間(趾間)、手のひら(手掌)にカビが寄生しておこる病気です.カビのことを学術用語では「真菌」といいます.そして真菌によっておこる病気を真菌症といいます.さらにそのなかて,カビによっておこる皮膚の病気を皮膚真菌症といい,内臓にカビがついておこる病気を内臓真菌症と呼ぶわけです.皮膚に寄生する真菌にはいろいろなものがあります.そのなかで,皮膚の表層にある角質層に好んで寄生するカビに,皮膚糸状菌と呼ばれるカビの仲間があります.その代表的な種類に,白癬菌と呼ばれるものがあります.この白癬菌に代表されるカビによっておこる病気を総称して白癬といいます.水虫はこの白癬に含まれる病気のひとつです.
白癬の仲間
白癬は,その病気のおこる体の場所によって違った病名がつけられています.これは他の皮膚病の名前のつけ方と少し違うところです.たとえば、湿疹は体のどこにてさても湿疹という名前にかわりはありません.ブドウ球菌によっておこるトビヒ(膿痂疹)の場合も,それが顔にてさても,手にてさても膿痂疹と呼ばれることにかわりはありません.ところが白癬の場合には、原因となる白癬菌にはいろいろな種類がありますが,その種類には関係なく、その病気のおこる体の場所によって病名がきよっています.
そのなかで、足や手にできる白癬すなわち水虫に汗疱状白癬という名前がつけられたことはすでに述べたとおりで,この名前がその後わが国ではずっと使われてさました.この呼び名は病気が足と手のどちらにあっても一言ですむという便利さはありますが,日本でつけられた名前のため、国際的には通用しません.そこで、近年は英語圏の呼び方にならって,足にできるものを足部白癬(そくぶはくせん)・足白癬(あしはくせん),
手にできるものを手部白癬(しゅぶはくせん)・手白癬(てはくせん)と分けて呼ぶようになってきました.しかしまだ汗疱状白癬という呼び名も残っていて,薬の効能書などには両方の名前が書いてあることが多いようです.
なお,この呼び方で,足とか手とかいっているのは、皮が厚くてうぶ毛の生えていない部分、つまり足のうらや指のはら,手のひらをさしています.足や手の甲だけにてきた白癬は,これに含めないきまりになっています.その理由はあとで述べます.
白癬は皮膚のどこにでもてきます.水虫以外の白癬はまとめてあとで述べます.全身の皮膚のどこにでもてきると述べましたが、爪も白癬になります.爪の水虫を爪白癬といいます.いつも水虫と一緒にみられるためにそう呼ばれるようになったものです.
■白癬は全身どこの皮膚にでもできます
①頭にできるもの,いわゆるシラクモ……頭部白癬
②股にできるもの,いわゆるインキンタムシ……股部白癬(こぶはくせん)
③股部以外の顔から手足の甲までのうぶ毛の生える皮膚にできるもの,いわゆるタムシあるいはゼニタムシ……体部白癬(たいぶはくせん)
④手にできるもの、手の水虫……手部白癬(しゅぶはくせん)・手白癬(てはくせん)
⑤足にできるもの,いわゆる水虫……足部白癬(そくぶはくせん)・足白癬(あしはくせん)

皮膚の成り立ちを知る

自分の皮膚のことを知ろう
水虫のことをよく理解するためには,まず,病気のおこる場所である皮膚のことを正しく理解しなければなりません.

皮膚の構造

皮膚の構造


皮膚は、外側から,表皮、真皮、皮下組織と大きく3っの層にわかれています.表皮からは下にむかって毛包(毛嚢)が伸びていて、その一番深いところにある毛母でつくられた毛が、上にむかって伸びていきます.毛包の上から三分の一くらいのところには,皮脂腺という皮膚の表面をおおう皮脂を出す腺が開いています.皮下あるいは真皮の深いところには、汗腺という汗を出す腺があります.ここから汗管という汗を運ぶ管が上に伸びて、表皮をつらぬいて皮膚の表面に汗ロを開いています.毛包と汗管は同じように皮膚に開いていますが,毛包がまっすぐなのに対して,汗管は表皮を通り抜ける部分が螺旋状になっているのが大きな違いです.
表皮の構造

表皮の構造


次に皮膚の一番表面にある表皮の構造を,少しくわしくみることにしましよう.
⑴表皮の一番下は、基底層と呼ばれ、基底細胞という,背が高く、核の大きな細胞が一列にならんています.この細胞は,人が生まれてから死ぬまで、細胞分裂をくりかえしていて,それで皮膚はいつも新しい細胞におさかえられ続けているのです.
⑵この細胞の上には,多角形の,隣同士が細い突起でつながったよ
うにみえる有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)があります.この有棘層は普通5〜6層からそれ以上の厚さがあります.
⑶この細胞がさらに上に押し上げられて,成熟が進むと,細胞のなかにkeratohyalin顆粒というつぷつぶがみえるようになりますので,この細胞を顆粒細胞,この層を顆粒層と呼びます.ここまでの細胞は核を持っていて生きており、細胞の間には体液が流れていて、これらの細胞はいつもいわば水につかったような状態になっています.
⑷皮膚の一番外側は、角質細胞という,核がなくなって,細胞質がkeratinという硬い蛋白質でみたされた,死んだ細胞の層でおおわれています.ここを角質層あるいは単に角層といいます.角層は,顆粒層に近い層ほど細胞がびっしりくっつさあっていて,外界から皮膚にはいりこもうとするものを防ぐ働さをしています.この角層の厚さは普通の場所では1ミリもありませんが,手のひらや足のうらではぐんと厚く,ことに踵では1センチほどもあります.
⑸なお,足のうらと手のひらには,他の場所の皮膚とちがって,角層と顆粒層の間に、透明層(淡明層)という無構造にみえる層があります.
■足のうらと手のひらの皮膚が他の場所と違う特徴
①角質層がきわだって厚い
②毛包がない.つまり毛が生えていない.毛包がないのでこれと一緒にあるはずの皮脂腺がない。そのかわりに汗を出す汗腺が密にある
周囲の皮膚とかなり違う性質をもっているので,白癬ができたときに他の部位とは違った症状を示す
表皮の細胞
表皮の細胞は、基底層で分裂と増殖を続け、少しずつ上の層に押し上げられて,角質細胞となり、最後に表層から次第にはがれ落ちていきます.健康な人の皮膚ては、このライフサイクルは常に一定していて、分裂した細胞が顆粒層をへて角質層に達するのに2週間,その後アカとなってはげ落ちるまでにさらに2週間,全休で4週間かかります.つまりだいたい1ヶ月たつと皮膚の細胞は新しい細胞と入れ替わるわけです.
さて,角質細胞は皮膚の表面をおおっているだけてはなく,皮膚からわかれてでさたいろいろな組織にもあります.その一つは爪です.爪は硬くて、ちょっと考えると骨の一部かと思われるかもしれませんが、あれでれっきとした皮膚の一員なのです.
爪の成り立ち
爪は爪母(そうぼ)という爪の根元で新しくつくられ、次第に指の先のほうへと押し出される形で伸びていきます.爪の甲(爪甲=そうこう)はすべて角質でつ
くられています.爪甲の下を爪床(そうしょう)と呼び、爪甲と爪床とは密着していて,普通は爪床をみることはできません.
毛も皮膚の一部
人の皮膚には手のひらと足のうらを除いて,毛が生えていますが、この毛もケラチンに富んでいます.毛には,
⑴頭髪や眉毛のように太くて黒い毛(硬毛)
⑵うぶ毛のように柔らかくて色の淡い毛(軟毛)
とがありますが、その成り立ちはまったく同じです.毛もカビが好ん
でおかす組織です.
白癬菌は皮膚のどこに住みつくのか
これまての説明で皮膚の構造がおわかりになったことと思います.
それては水虫をおこすカビである白癬菌は,いったい皮膚のどこにすみつくのでしようか.この白癬菌の仲間のカビは,別名を好ケラチン性真菌とも呼ばれています.角質のなかに含まれるケラチンという蛋白質をその栄養源として,これをkeratinaseという酵素で消化しながら発育する性質をもっています.ですから、皮膚の表面にとりついたカビは、ちょうど米蔵に迷いこんだネズミのように、これ幸いと角質のなかにもぐりこんて伸びていきます.しかしあまり深くもぐりこんて顆粒層までいきますと、顆粒層には体液や血液の成分があふれていて、そのなかにはカビの発育を押さえる物質が含まれているために,カビはそれ以上深いほうへは発育することかでさません.結局カビはいつも角層のなかでだけ生さているようになります.つまりカビにとっては,角層というのはかけがえのない安住の地ということになります.
このようにケラチンに富む角層や毛、あるいは爪はいずれも白癬菌にとっては絶好のすみかです.角層は人のからだの表面全体をおおっていますから,白癬菌は全身どこの皮膚にとりついても不思議ではありません.ことに足のうらや手のひらは角層のきわめて厚いところですから,白癬菌にとってはこのうえなく住みやすい場所といえます.しかし手のひらは足と違って絶えずこすれたり,洗ったりするため,皮膚にカビが取リつさにくく,それで手には水虫がでさにくいのです.しかしいったんカビにとりつかれてしまうと,角質の厚いのは足と同じですから,手の水虫も意外なほど治りにくいのです.
また足のうらや手のひらにすぐ隣り合っている指の爪も,カビに狙われやすい場所です.爪にカビがとりつさますと,その刺激で爪の下の角質が一層厚くなりますから,カビにとっては爪もまた安住の地です.
髪の毛に白癬菌がつけぱ,シラクモ=頭部白癬になることはすでに述べたとおりですが,頭以外でも,ヒゲをはじめ場合によってはうぶ毛にもカビが侵入して,さまざまな形の白癬がおこることがあります.

水虫をおこすカビ

人につくカビ
水虫は.カビによっておこると述べましたが,一口にカビといっても,カビにはたくさんの種類があります.たとえば,お餅の上にとりどりの色でつくカビもあれば,梅雨時の戸棚のなかや壁に生えるカビもありますし、一方、味噌や醤油,あるいはお酒を造るのに欠くことのてきない麹もカビの仲間です.このように,人とカビとはいろいろな形でかかおりあっていよすが、そうしたカビのなかに人の病気をおこすものもまたいろいろあるのです.皮膚だけをとりあげてみても、カビによっておこる病気は,単に水虫の仲間だけではありません.
そして,近年は,ますますカビによる病気の種類が増える傾向にあるのです.
白癬菌の種類
水虫をおこすカビを、白癬菌と呼ぶと前に述べました.正確にいいますと,白癬と総称される水虫の仲間の病気をおこすカビにもいろいろな種類があって,それをまとめて皮膚糸状菌といいます.
その中に,大きく分けて白癬菌,小胞子菌,表皮菌の3つのグループ
があります.
⑴一番多く皮膚からみつかるのは,猩紅色菌(しょうこうしょくきん)または単に紅色菌と呼ばれるトリコフィトン・ルブルムという菌です.この菌は,現在世
界中にひろがっているカビで,水虫ばかりでなく,白癬のすべてのタイプの病気の原因になっています.
⑵これについて多いのは,トリコフィトン・メンタグロフィテス(毛瘡菌=もうそうきん)です.この菌には趾間菌と星状菌という2種類の変種がありますが、水虫からみつかるのはそのほとんどが趾間菌のほうです.ミズムシだけにかぎってみますと,趾間菌と紅色菌の見つかる比率は、その医療施設によってかなり違いがあり、また地域によっても違いがあります.全休としてみますと、紅色菌のほうが多い施設が多いのですが,両者がほぼ同数のところもあり,また、少数ながら、趾間菌のほうが優勢の施設もあります.最近少しずつ趾間菌の割合が増えてきています.
一般に,趾間菌による水虫のほうが,紅色菌によるものよりも軽い場合が多いのです.逆にいえば,長い間続いてこじれているミズムシは紅色菌による場合がほとんどです.病院に来るような方は,紅色菌の例が多いのですが、開業医のところでは、軽いうちにかかる方
が多く、そのぶん趾間菌の比が高くなります.最近は軽いうちにかかる方が多くなって,そのぶん趾間菌が増えているのではないかと考えています.
⑶鼠径表皮菌(そけいひょうひきん)は,歴史的にみれぱヨーロッパでいちばんはじめに足白癬からみつけられたカビですが,わが国ではこのカビが白癬の原因
になる割合は低く,足白癬の場合には主に指の間(趾間)からみつかります.私どもの病院では,1年に2〜3人程度しかおりません.
⑶イヌ小胞子菌は,現今のわが国では,犬ではなくて主に猫の間にはやっているカビです.人には猫からうつります.ほとんどタムシやシラクモの原因となり,水虫はめったにおこしません.
●疣状白癬菌(ゆうじょうはくせんきん)は,牛の白癬の原因となるカビで,牛から人にうつります.足白癬をおこすことはほとんどありません.
●石膏状小胞子菌は,日本中どこの土のなかにもいるカビです.人にうつることはごくまれで,水虫をおこすこともまれです.
いろいろなカビの名前を並べて,話がややこしくなりましたが,こと水虫に関していえば,原因となるカビとしては,紅色菌と趾間菌とで95パーセント以上を占めていますから,あまりほかの菌のことは考えなくても結構です.
皮膚にカビが生えるとは
生きている皮膚についたカビ
皮膚にカビが生えるというと,意外に思われるかもしれません.
たとえば,お餅にカビが生えたときのことを考えてみてください.それは、誰がみてもカビとわかるように,お餅の表面に盛り上がって生えていたり,あるいは,お餅のなかのほうへ、色のついたカビが伸びているのがわかります.ところが,水虫になったところをいくらまじまじとみても、カビらしい物は生えていません.それはなぜかといいますと,生きている皮膚についたカビは,前にも述べましたように,角質のなかだけを伸びていさますが,けっして,角質の外の空中に飛び出して伸びることはありません.そして,この角層を顕微鏡でみますと,角層のなかに,菌糸と呼ばれる,細く枝わかれした糸状のカビをみることができます.このカビが他のカビとかわらないものである証拠は,このカビを適当な栄養を含んだ培地と呼ばれるものに植えますと,普通の形のカビが生えてきます.また,もしもカビのついている皮膚を切り取って,死んだ状態にしておきますと,皮膚の上にも,お餅の上と同じように,カビの形がはっきりとみてとれるようになります.
角層にカビがつく場合
皮膚の角層は,常に下から新しい層ができて押し上げられていきますので,カビはただくっついているだけでは,アカと一緒に追い出されてしまいます.しかし,病気をおこすようなカビは,いったん角層にはいりこみますと,次々に芽を伸ばして,いつも角層の深いところにいられるように根を張っていくのです.水虫が治りにくい理由の一つは,足のうらの角層が厚いために,塗った薬がなかなかカビの伸びている深いところまでしみ込んでいかないからです.
爪にカビがつく場合
爪の場合には,カビがつくとその刺激で一般に爪甲(そうこう)の下の,普通では全然厚みがなくてみることのできない,爪床(そうしょう)の部分の角質がだんだん厚くなってきます.普通,カビは爪の先端,つまり指先のほうからはいっていさますが,厚くなった爪のどこにでも,まんべんなくいるわけではなくて,表面の爪甲には少なく,よリ深いところに多くみられます.ですから,爪の水虫は,いくら爪の表面に薬を塗っても治りません.また,爪は伸びるのに時間がかかりますから,爪の先端のほうの,はじめに生えたカビは次第に枯れて,あとに枝わかれした細いトンネルが残ります.ここにほこりゃごみや細菌がはいりこみますと、爪は汚い色になります.
毛にカビがつく場合
毛にカビがつく場合には、菌が毛のなかにはいって増える場合と、毛のなかにははいらず、毛のよわりにとりつく場合とがあって,菌の種
類によって、どちらのつき方をするのかが決まっています.カビは皮膚の表面の角層から,毛包(毛嚢)のなかへとはいって,毛包の壁をつくっている角層を下にむかって伸びていきます.ある深さまでいくと,毛根の角層にとりついて,そこから毛の長軸に沿って上下に伸びるようになります.毛のまわりや毛のなかでは,カビはいつも糸状に伸びていくのてはなくて、丸い胞子の形になって次々とつながった形でつまっていきます.顕微鏡でこれをみると,皮膚の表面についているのとは違った形にみえます.こうしてカビがびっしりと毛にとりつきますと、毛のケラチンはカビの出す酵素によって消化され、毛は本来の構造を失ってもろくなります.その部分が皮膚の表面まで伸びると,そこで切れてしまったり,また、引っ張ると抵抗なく抜けてくるようになります.抜け落ちた毛のなかのカビは、床の上などでもかなりの間生き続けていますので,それがまた感染源になったりします.

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